便潜血について
便潜血とは
健診で広く取り入れられている便潜血ですが、こちらについてたまに質問が来るのでまとめます。
日本では主に免疫法の2日法が行われています。
みなさんも2日間便をとったかと思います。
これ何をしているかというと、簡単にいうとヘモグロビンに対する抗体を用いて便中に血液がないかを見ているわけです。
目に見えないレベルの微量な血液を検出できるため、便"潜血"というわけです。
単純に便中に出血ってことは大腸がんある??ってことで大腸内視鏡検査を勧めるための入り口となる検査です。
これはあくまで検診です。検診ってことは多くの人が簡単にできて効果があることが重要です。
全国民大腸内視鏡ができればそれに越したことがないですが、胃カメラと違い準備が大変でそんなこと到底できないため、大腸内視鏡検査が必要な方を拾い上げるためにこの方法が導入されています。
で、よく質問が来るのが、便潜血が陽性で検査をしたが異常がないときに、じゃあなんで陽性になったの、ほかに出血源はないの?と言われます。
①便潜血検査は、基本的に大腸の潜血を拾っているようですので、大腸より口側の腸管の出血源を探しに行く必要がないと思います。
②腸管自体は何もなくても刺激で自然出血することはあり得るためにそういったことで陽性になりえます。
③そもそもどんな検査も偽陽性があります、検出の閾値を下げて、多くの人を拾い上げようとしたらその確率は高まります。そのため何もなくても潜血陽性判定はピロリ抗体と一緒で、十分にあり得るということです。
上記3つの理由から、便潜血陽性でも何もなければそれでよいと判断していいかと思います。
便潜血の目的は足が遠のく大腸内視鏡を多くの人が受けるきっかけづくりとして行っているという認識を持ちましょう。
便潜血陽性になりましたら、原因を追究するというより、大腸内視鏡を受けなきゃなぁと思っていただいて、当院での検査もご検討いただけたらと思います。
当院は完全に眠った状態の検査、胃カメラと大腸カメラの同日検査を行っていますため、1年ごと1日だけ予定を開けていただき、みなさまの胃がん・大腸がん早期発見に貢献できたらと思っています。
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