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症例紹介(内視鏡治療)

当院で日帰り治療を行った症例の紹介になります
当院は日帰り治療も積極的に行っていますためご相談ください。
内視鏡治療について

胃のラズベリー型胃癌

他院で生検で癌と診断された症例の治療です。胃のラズベリー型胃癌はピロリ陰性の方にまれに生じます。
見ためはラズベリーのような赤みが強い隆起であることが特徴で、よく見る良性の胃底腺ポリープと違って真っ赤です。
大きさは経験上ほとんど5mm程度でかつ、深さも粘膜内であることがほとんどです。
生検するとなくなってわからなくなることが非常に多いため(実は治療の時によく困っています、瘢痕を前医の内視鏡所見と比較してどうにか探して治療することが多いです。検査のみの先生はあまり知らない治療の実態です。)、見た目から診断的治療も検討してよいと思います。

胃の過誤腫

管内隆起型の粘膜下腫瘍様の隆起性病変で、頭部に発赤を伴い、今後の増大化・出血のリスクから診断的治療を行いました。
経験上この手の判然としない有茎性の粘膜下腫瘍様の隆起性病変は過誤腫と診断されることが多く感じます。
この症例も過誤腫でした。過誤腫は良性の腫瘍です。切除も容易ですので毎年気にしながらフォローするよりは切除してしまった方が良いと思います。おそらく大きくなることはあっても消えることはないと思います。

盲腸の大腸早期癌

盲腸の20mm程度の隆起性の病変でした。基本的には初回からこのくらいのサイズは治療しないのですが、再検査が困難な社会的事情から検査前から大きめの病変があっても治療しますと説明した上で初回から発見しその場で治療しました。
このサイズですと粘膜下層剥離術(ESD)も検討してよいと思いますが、スネアでも切除は可能で、切除の上クリップで傷を閉じています。

S状結腸の長く太い茎をもつ大腸早期癌


S状結腸に長い茎と赤い頭を持つ、大きな病変を当院で指摘しました。
後日留置スネアという茎を縛る道具を用いて、しっかり出血予防をして、スネアにて切除しました。
留置スネアは扱いがやや慣れが必要ですが、院長が扱い方を取得しているため、使用可能です。出血予防という面では安心感があります。

直腸カルチノイド(NET)のEMR-L

直腸カルチノイド(NET)はまれな腫瘍ですが、特徴としては直腸に見られる黄色調の隆起です。
こちらの症例は他院で生検されて診断されており、当院で治療しましたが、腫瘍はわからなくなっていて、瘢痕だけが確認できました。
ラズベリー型胃癌と同様で、実はこれも直腸NETあるあるです。腫瘍が5mm前後とほとんどが小さいため、生検で見た目が分からなくなって生検の瘢痕だけになってしまう状況です。この症例は検査からほとんど時間がたっていなかったため、急いで治療を組みました。時間がたつほど瘢痕がわからなくなるからです。
治療法としては、吸引して粘膜を持ち上げてゴムバンドで根元を縛って、その下をスネアで切ってあげるというEMR-Lという方法です。

12mm程度の直腸カルチノイド(NET)のESD

当院のスクリーニングで直腸に10mm弱のカルチノイドを指摘しました。
生検で診断し、治療としました。大きさ的にEMR-Lは10mm未満でないと難しいため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応となります。
直腸で難易度も低いと考えられ、リスクが低いと判断し、日帰りで治療としています。
治療時間は10分程度で終わり、クリップで閉創して終了としています。

十二指腸下行部の腺腫のCSP

当院指摘で、5mm程度の白色調の病変です。
内視鏡的には腺腫を疑うことから、CSPにてスネアで切除しました。
CSPのスネアリングですと傷口も小さく、容易にクリップにて閉創ができます。

十二指腸下行部の腫瘍のuEMR

十二指腸の10mm程度の白色調の病変です、他院で生検されているので真ん中が発赤しています。
CSPでとるにはやや大きめですので、浸水下で病変をふわっとさせてスネアリングして通電する方法(uEMR)で切除しています。
この方法は通常のEMRより安全性が高く最近普及しています。クリップ含め15分程度で治療を終えました。